- SAC Bros. Company
余白という白
どうやら彼は死んでしまったらしい。
私に関し、そういう噂がよく流れます。 随分と長い間、人の世を離れていましたが 一応 生きています。
頭の中で考える事が無垢という意味で純粋なものだと思えますが それをこの世に実在するものとして あるいは 他人とほぼ近しいレベルで共有出来得るものにするに当たり その純粋さは、酸素に毒されながら時の流れに身を委ねる生き物達のよう 少なからず劣化する気がします。 そんな事を考えていました。
結局のところ 川の上流と下流の景色の違いのようなものだろうか。と思い至りました。 そこからさらに枝葉が伸びましたが 色々な人達に 考え過ぎるのが悪い癖だ。と指摘されている事を思い出したので 今日は 何も考えず 焼いたものをひたすら磨く作業をする事にしました。
どうもこんばんは。motomanです。
7月 の頭に喜楽窯に入れて頂いたものを手入れしました。
以前 成形を終えた段階のものを紹介した気がしますが その時の花入です。
それに付随し 土という素材をどう扱うか それに必要な道具は一体どういった形状のものであるべきか ( 窯の事です ) 少し前進したように思います。
もう少しだけ このラインを自然釉の流れが乗り越え、正面に垂れてくれればベストだったのですが 見事にパキッと色味が分かれました。
幸運にも、薪窯を扱っている先輩方が多く この 約3年間 、平均すると 月1ペース で窯焚きに参加する事が出来ました。
お陰様で 自分の好みがどういったものであるのかが、かなり絞れました。 嗜好の経年変化というものも 非常に面白いものです。
小さな花入。 このままでは手を切ってしまいそうなほどゴツゴツで 色味も茶色一辺倒でアレですが
片身替りのようになっているわけなので 私の中の…狙っていた景色というのは このアングルです。 ちょうど今頃の季節に合うかもしれません。
が 染付の最も魅力的な箇所を自分の中で咀嚼してみた結果 余白の美と言いますか 磁土のもつ白さを活かしたいのでは。と考えるようになり それからアレを経て コレを経て 沢山の失敗を経て…
自分の好みというものを探り当てる事が出来ました。
しかしまあ 手入れ前はゴツゴツし過ぎていて 畳付なんかは特に念入りに磨き倒さねばなりません。 やり過ぎぬよう、適度に。
結果的には燠のゴツゴツもさほど入らずでオッケィが出ました。
無理くり金継ぎしようと思います。
明日からまた 所用で伊賀へ行ってきます。 大阪に居る事が少ない昨今ですけれど 一応 生きているので。
そこんとこヨロシク