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普限窯 窯詰め


2013. 4 / 9

第8回 普限窯焼成が始まりました。

どうもこんにちは。motomanです。

よって 8日 は 9時 より、窯詰めが始まりました。

今回はその様子でも。

紹介したか記憶がありませんが、こういったものを作りました。 花入です。

火床に置いて頂き、引き出しする予定の品です。 いつもの黒土です。

素焼き後。 花入は 2本 あり、そのどちらをも引き出しします。

タイミング的にはおそらく 13日 の夜か深夜になるかと思います。

以前 半磁の花入を引き出した際、背丈が 15cm ほどしかなかった為 ほとんどが熾に埋もれました。

一般的には頭 1 / 3 くらいが熾から出るくらい つまり、背丈が 25cm ほどあると 上 ・ 中 ・ 下と景色の違いをつけ易いという事もあり、また 茶の湯の世界で使われる花入の背丈がだいたい 25cm という事もあり ( これに関しては…どちらの理由が優先されたのかは知りません。 品重視の発想でしょうから、まァ 前者でしょうね ) この 2本 は 28cm ほどあるので、焼き上がりはだいたいそれくらいになるかと思います。

その他はだいたいこんな感じです。 黒土の水差しに 海南窯 ( 仮 ) で入りきらなかったもの達です。

普限窯 胴木内部。

古谷 道生氏 理論に基づき、傾斜は 3寸勾配 で 形状はロウソクの炎型になっています。 天井はアルカリに強いキャスタ。

手前の凹みは…後に説明する事とします。

若手だけで焚いてみよう。という小山さんの有り難い提案があり 今回の焼成は九谷チームが主導です。 そこへ私も紛れ込ませて頂いた次第です ^^;

半田くんが小山さんと相談しつつ、棚を組み上げていきます。

普限窯は棚組がたったの 1列 です。 最も下は炎が抜け易いよう、背の低い皿などを詰めました。 間隔も甘めです。

窯詰めを待つ品々。 焼き直しのものもあります。

他の者は外で待機し、必要なものを窯まで運びます。 棚板と同じサイズに切ったベニヤの上に仮置きし 高さと数を予め決めておきます。

欲しい高さや形状のものに合うものが決まれば 目土を立てていきます。

目土の立て方も様々で 例えば三脚などはこういった立て方。 マグなどは取手に最も近い畳付に 1つ 、それを基点にして 3点 つけたりと 要は 熱垂れによる変形に強い位置に取り付けていきます。

以前 私が一の間に入れて頂いた水差しは 躯体とフタを別に焼成しました。

今回は 神崎 紫峰氏 がよくやられるという、こういった立て方を試してみました。

躯体の中に 5本 の長い童仙房を立て、その上にフタを乗せた格好です。 躯体とフタの間隔は 約10mm ほどです。

どうなるでしょうね。 童仙房がコケて倒れませんように…

下から 2段目 、つくが少しはみ出した部分。 こういった場合、ビードロがつくを伝い 湯呑みの中に落ちる可能性が考えられます。

口元に落ちれば景色として良いですが 見込みに直接落ちるとアレですので、モミ殻を入れてあります。 こうする事で、仮に見込みにビードロが直接落ちた時でも 簡単に剥がす事が出来るのだそうです。

色々な小技が見られます。

胴木の後部あたり ・ 右の横挿しのための穴から覗いた様子。 徐々に組み上がってきました。

9時間 ほどを要し、棚組が終わりました。 オルトンは最下段の再奥 ・ 左右と写真で見えている位置です。

中央 下から 3段目 の奥にあるのは 匣 ( さや ) で 直接 火を当てずにまったりと温度を上げたい場合や 灰を嫌う品を焼成する際などに使われる、耐火度の強い土で作られた…いわば箱です。

中央に置く事で、そこに火をぶつけてゆったりとまわすのが狙いです。 次の海南窯 ( 仮 ) でもやってみたいですね。

棚組が終わり、あとは 火床と火前を残すのみですが 今回の引き出し予定個数は 約30本 。 時間をかけてシミュレートする必要があります。

引き出し予定の品もズラリと並びます。

蹲の上に徳利を乗せた合わせ技。

合わさっている箇所の隙間にビードロが流れ込み 徳利の胴あたりに目 ( のように見えるビードロのしずく ) をつけるのが狙いです。

九谷チームの半田くんと南さんの妹さんの品。

王様と女王に見えたのは私だけでしょうか。

並行して一の間も詰めていきます。

今回の一の間は素焼き専用です。 次回焼成予定の大壺などを詰めました。

下部には花入を寝かせ、数を稼ぎます。 仮に転がってしまう時の事を考え、つくで左右を固定してあります。

先月の海南窯 ( 仮 ) の窯詰めの際、私が最もよくわからなかったのが火床で 今回の窯詰めでしっかり観ようと、楽しみにしていたあたりに差し掛かりました。

取り敢えずだいたいの品を運び込み、仮置きしてみてシミュレートします。

焼成日数と今までの経験で、溜まるであろう熾の量を予測し それによってどのくらい品が押されるかを想定、赤貝や童仙房で受けて対処します。

火床 中央に据えたマホニーさんの品とその左右の品の肩などは ホタテを挟んで固定しました。

貝の形状と取り付け位置を調節し 仮に焼成中に貝が落ちてしまったとしても、後方へ落ちるように据えてあります。 前に落ちた場合、他の品の上に被ってしまいますので、そのような点にも留意すべきです。

また このマホニーさんの品が並ぶ列が火床に設置した品で再奥にあたるのですが 棚からの距離は 15cm ほど空いてあります。 これは貝などを後ろに落としても良いように。という事もありますが 最も重要なのはやはり、炎の流れです。

前面だけでなく後面にも景色がつけられるよう、炎の流れを常に最優先とするのは 窯詰めの基本である。と言えると思います。

焚き口から最も近い品が熾で押さたとすると 徐々にそれらが後ろへと退がり、後ろの品にも影響してくる事になります。 くっついて離れなくなってしまうわけですね。

よって 火床に置いた品は全て 品と品同士に赤貝を支柱とし、火床の品々が 1つ であるかのよう 時間をかけてしっかりと固定させます。

この時に留意すべき点は そのどれもがしっかりと固定されている事。というのが前提ですが 色々な状態の品が入っている事も見逃せません。

例えば… この写真の中の品は 生 ・ 素焼きした品 ・ 焼き直しの品 と 3種類 あり 焼き締り具合が違います。

要は 焼成中に収縮する度合いが違ってくるわけで それによって品と品の隙間の開き方に差が出てくるわけです。

そういった事も頭の中で予想しつつ、品と品の間隔がどれくらい必要か 熾に押されても頑強であり、なおかつ 炎が走る道筋も想定し 仮に赤貝が落ちても他の品に影響が無い位置に取り付ける必要があります。

こればかりは経験を積むしかないでしょうね。

火床右側の壁際には半分に割った棚板を使って棚を組みました。 予定していた棚の品が入り切らなかったからです。

壁と棚板も抜かりなく、しっかりと固定してあります。

棚板の上に敷いているのはセラミック ・ ペーパーで 珪砂を敷くのが一般的ですが、それらが品に降るのを嫌う為 こういった耐火度の非常に高い道具を使っています。

石綿とは違うので、アスベストは一切含みません。 素手で扱えますし、ちょっとした和紙程度の質感なので ハサミで切ったり手でちぎったりと、加工も非常に容易です。

火床一面は珪砂を敷いてあります。

南さん姉妹の品が火入れを待っています。

ひとつひとつ丁寧に固定し、火床の品の設置が完了したのは 21時 くらいだったと思います。

今日の予定まであと少し。

引き出しの品を火前に並べ、炎の流れる道筋を予測し あらかたシミュレートします。

仮置き後の写真です。 徳利を乗せた蹲を 1つ と換算し、全部で 26本 引き出す事となりました。

さて、冒頭で置いておいたアレですが 火床に設けられているこの凹み。

質の良い品を多く獲る為、熾の操作が非常に重要で 熾をスコップでかいだ時、品を傷つけてしまわないように この凹みが設けられています。 床面を舐めるようにスコップを入れ、スコップで熾を掬うわけですが この凹みで止まる為、思い切って手早く熾の操作が出来る。というわけです。

この場所には 序盤であまり奥に熾が行き過ぎないようにする為、壁としての役割を担う 小山さんの花入を設置しました。

これは最初の引き出しで取り出す為、その後の熾の操作から凹みが活きる事となります。 逆を言えば それまではこの花入を傷付けないよう、薪の投げ入れ位置やスコップの操作を デリケートに扱う必要がある。とも言えますね。

本来ならばこの 2本 の花入も赤貝でしっかりと固定したいところなのですが 仮に凹みに赤貝が落ちてしまった時の事を想定すると、赤貝を使う事は出来ません。 なぜなら スコップで掬った熾を周囲に降りかける際、そこに赤貝 ( 例え破片であろうと ) が混入していると 他の品への悪影響が想定出来るからです。

同じ理由で 火床の珪砂は、凹みから 2 ~ 3cm の余裕をみたところまでしか敷いていません。

この火前の仮置きを以って この日の窯詰めは終了としました。

焚きまでの準備に不安要素の欠片も残さない。というのが小山さんの考えで 細部に渡ってそれらが徹底されていて…本当に頭が下がります。 良い品を獲る為に傾ける情熱は それはもう半端なものではないし その為に必要なものがあれば 必ず用意しておくのが小山流です。

また 精確な客観性も重要で 今晩は仮置きまで。 明朝 スッキリとした頭で改めて観てみて 位置を決定します。

疲れた体と頭では 人間どうしても 妥協というものを孕んでしまいます。 それを許さない為のスケジューリングを採っているわけです。

そうする事で イレギュラーな事が起こらない。つまりは 今まで経験してきた不確定 ・ 不安定要素を潰しにかかる事で " 上質な焚き " が出来る。という事です。

上質な焚きは上質な品を生みます。

海南窯 ( 仮 ) も 上質な品を生む為、上質な焚きが出来る環境を整えていきたいところです。 先ずは それを可能とする財力を蓄えなければ… それが最も…

………

取り敢えず 21時 から窯焚き行ってきマス。

お近くの方で 不要なビニルシートやトタンなどをお持ちの方。 頂きに参上します ^^

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