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穴窯 3 / 3 日目


さて。 待ちに待った、初体験の日です。

どうもこんばんは。motomanです。

温度計を見るに、昼の間にトップが 1270℃ あたりまで昇温し その後、少し停滞を続け… 17時 には1230℃ を少し切った状態でした。

オルトンを見る限りでは、最後尾の 4列目 も全倒。 後方の温度もしっかりついてきているようで、良い感じでした。

K吉さん お手製のミート ・ スパゲティと鶏の唐揚げで腹ごしらえをば。 久々に好物のパスタを食べた気がします。 ワインの酸味の効いた、挽き肉の旨味もしっかり味わえる 実に美味しい一品でした。 ありがとござます。

そして、待ちに待った 23時 。 引き出し開始です。

ブライアン ・ マホニーさんが、自身の作品を引き出します。
出ました。 温度計は 1230℃ を示しています。

高いカロリーをその身に受けた作品が、引き出す事によって急冷されます。

ステンレス製の棒を使い、慎重に引き出します。

ステンレスの融点は…その規格にもよりますが 平均するとだいたい 1400℃ くらいです。

よって、窯内に入れるとすぐに真っ赤に光りますが 融点には達しないので、溶ける事はありません。

棚板の上にそっと置き、常温で急冷します。

1230℃ 近い場所から気温 10数℃ のところへ引っ張り出され チンチン。と、貫入の入る 奇麗な高音が辺りに響きます。

ものの数分ですぐに冷え、徐々に色味が認識できるようになります。

良い蹲ですねえ。

陶芸用語で 蹲 ( うずくまる ) という言葉があります。 小さな壷の事で、人がうずくまっている様子に似ている事から そう呼ばれるようです。

首のあたりが焼成によって少し落ち込み、それによって 口元あたりまで変形したようですが、その様も悪くないですね。 なんとも…かわいらしい形でありながら、激しい火の跡の残る 良い景色になったんじゃあないでしょうか。

その後 引き出しをする事によって下がった温度を、薪をくべてゲインさせます。

1230℃ まで上げ直し…

引き出し 2発目 です。

岸和田の陶芸家、小山さんの作品ですが 本人は今、自分の穴窯を作っていて 大層お疲れの様子で…代理でマホニーさんが引き出しました。

写真では分かり辛いですが 表面がかなりテカっていました。

灰が良く溶け、釉薬となってキレイに表面を覆っている証拠ですね。

慎重に移動させ…
棚板の上へパイルダー ・ オン ! です。

この写真なら分かり易いですね。 肩の辺りが良くテカっています。

さて… いよいよ初体験デス。

K野さん に、そのやり方を指導してもらっています。 八田さんが写真を撮って下さいました。

こういう井出達で挑みます。 ああ、ええ。 そうですね。

月光仮面です。

マホニーさんに 「 ボーソーゾクかアルカイダね 」 と突っ込まれました。 ありがとうございます。

髪を束ね、後ろで結び 首と口元にタオルを巻き 焚口に近づける左手に、手先が動かし易いよう 薄い軍手 ( 綿の物です。ナイロン製は溶けてしまう恐れがあるので ) を 2枚 重ね 右手に厚手の軍手を 1枚 その上から、溶接の時などに使う…肘まである、長い牛革の耐火手袋を着け 窯の中がよく見えるよう、サングラスを装着します。

高温になればなるほど、光は白味を帯びますので 窯内が眩しくて見えなくなります。

また、眼鏡を着けている方は…ガラス製の物にしましょう… 最近プラスチックの眼鏡が増えてますが、溶ける恐れがあります。 よほどアレじゃあない限りは大丈夫ですけれどね。

備えあれば何とやら。です。

あ、あと サングラスが曇るので、 口で息した方がイイネ。と、マホニーさんが教えて下さいました。

先ずやるべき事は 作品を窯内で そっと倒し、熾をくっつけながら半周…転がします。

火の当たっているところが正面になるので その反対側は白味が強く残り、面白味の無い景色になってしまいます。

よって、正面は灰が溶けて釉薬になって流れたところとし 裏は熾をくっつけ、また違った雰囲気になるようにします。

寝かせたまま、位置をしっかりと確認しておいて 薪をくべます。 そして昇温を待ち、このサイクルが終わると同時に 引き出し開始です。

慣れない手つきで…引っ張り出します。
落とさぬよう、慎重に…
底を棚板に乗せて
ゆっくりと立たせます。
先日 書いた通り 初日の夜中にはすでに…薪をぶつけられて割れていた。という 悲しい花器が…引き出されました。
急冷と共に、その姿が色味を露わにします。
目をこらして見てみて下さい… ちょうどこの写真の中央、髪の毛ほどの細い細い線が 水平に…→へ向かって出ています。

釉薬が引っ張られて糸状になったものがくっついています。 ほんと、髪の毛ほどの太さで 長さは 3cm ほどでした。 ガラスの針ですね。

続いて、小山さんの 2つ目 の引き出しです。
さすがマホニーさん。 手馴れたモンです。
ステンレスの棒の先まで真っ赤ですねえ。

と、こんな感じで 無事に…初 ・ 引き出しを終えました。

今回の窯では、全部で 4つ の作品を引き出しました。

以下、引き出した順に紹介します。

ブライアン ・ マホニーさんの蹲。

今回 引き出しした中で、私はコレが一番好きでした。 変形しちゃったね。 と、自身は仰っていましたが それが愛らしい形になったなァ。と、私は思っています。

ビードロも奇麗な緑に発色しているし 大胆についたコゲも、袈裟斬りみたいに入っていて 良い景色になっているんじゃあないですかね。

小山さんの花器。

さすが、薪窯作品を沢山作っているだけあり その特長を良く捉えていらっしゃいます。

ビードロの溜まる所に、彫りや模様を入れていたり 熾を当ててコゲをつけたい所を計算して窯詰めをします。

こういった形の場合、耳が 2つ ついているので 正面を設定できる面は 2箇所 のどちらか。に限定されます。

コゲがもう少しだけコッチなら良かったのに… ビードロがもうちょっとコッチに流れれば良かったのに…と 耳をつけるなどして、正面の方向を予めキッチリ決めてしまうと そこらへんの余裕が無くなってしまいます。

が、どちらから見てみても コッチが正面だと分かるし、景色も良いと思います。 裏側は裏側で、物足りなさも感じませんでした。

そして私の…初 ・ 穴窯作品の花器。

しょーもない男が作ると、しょーもない物が出来てしまうんでしょうか…

素焼きが終わった時点で、 あ、やっちまった。 なんて面白味の無い形なんだ。と、思ってましたが どなたかが薪をぶつけて割ってくれたお陰で…悲しくも 頭半分スッ飛びましたが、そのままの形を保っているよりかは まだ…面白くなったか。と、割ってくれた事に感謝する始末です ^^;

きっと… 1度 だけではなかったんでしょうねえ。 何度となく薪をぶつけられたのか、大胆にヒビってます。

大原の土を使ったのですが、比較的 鉄分の少ない土なので マホニーさんや小山さんの作品のように、色々な色味が出る事がありませんでした。 全体的に白味が目立ち過ぎてます。

また、ビードロが流れて溜まる溝も無かったので すんなりと上から下まで流れてしまい、何とも スッキリし過ぎた一品になりました。

外側と内側の一部に、ものすごく濃くビードロが残った場所があり そこはとても美しかったのですが… まあ 初めての穴窯作品なんで、こんなモンでしょうか。

小山さんの花器 その2 。

これは焼き直しで入れた物なので、 2度 穴窯焼成をした事になります。 私は今回、窯詰めに立ち会えなかったので 焼成前がどんな感じだったのかはわかりませんが、八田さん曰く 焼き直さない方が好きだったなあ。との事でした。

火の走る場所 灰のかかり具合 灰の溶け具合 熾の当たり方 還元の雰囲気

色々な要素で色々な景色が生まれるのが魅力の薪窯ですが 焼き直したからと言って、必ずしも良い物になるとは限りません。

私見では この場合、私の物と似通った感じで コゲの入りの単調さ 色味の少なさが スッキリし過ぎていて面白く無いんだと思いました。

小山さんの 1つ目 の花器は ビードロの緑、やや青味 コゲの黒味 微妙に酸化雰囲気だったのか ? 茶色がかった所 土の白さ などなど…色々な色味が混在しているからこそ 面白い。と感じるんだと…薪窯 初心者ながら、そう思いました。

なるほど。 薪窯の当番は今回で 3回目 でしたが 作品を入れたのは初めてです。

だいたいの流れや焚き方なんかは…それなりに解った気がします。 初めての引き出しも楽しかったです。

来月に、貝塚の穴窯と奈良の穴窯の焼成を見に来ないか。とお誘いがあり 奈良の方は、当番してくれるならタダで作品入れてあげるよ。とも言われているので ああ。 また挑戦してみようかな。なんて思ってマス。

しかし 色々とやるべき事はあるので…どうしようかなァ。なんて考えながら 明日からまた、普段通りにろくろに向かおうと思います。

あと 2時間後 6時 に喜楽歩の穴窯焼成は終了です。

引き出しをしない作品もいくつか入っているので、焼き上がりが楽しみです。 GW を挟むので…窯出しは 5 / 9 と ちょっと先の話ですが。

また紹介します

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