• SAC Bros. Company

器気


形 ( なり ) 釉調 雰囲気 どれを以て良しとするのか。という考え方は間違っている。 全てはひとつであるから。

作り手は、物を作り…何を示すのか。

こうしたいという業 こう在りたいという欲 こう見られたいというエゴイズム

そのどれもが混在したものが…私の作る物である。 だが… そうであってはならない。

私が今まで、直に目にし 思わず…すげぇ。と口にした物が3つある。

1つは…数年前にインテックスで見た 3代目 : 徳田 八十吉の耀彩壺 1つは…確か去年。堺で見た 堺の刀鍛冶 : 本城 永一郎の作った花器 1つは…先日の穴窯を焚いた時に見せてもらった 岸和田の陶芸家 : 小山 普の大壷

一目見た瞬間 頭の頂に雷が落ちた気がした。 沸々と肌が泡立ち 血が逆流する心持ちだった。

言葉に還元するのは難しく ただ、 すげぇ…としか言えなかったのを覚えている。

そのどれもに共通している事は 俺が作った物だ。 という驕りが微塵も無く 物が物として自立し 確かな器気が感じられた。

とんでもない物を目の当たりにし、 見てはいけない物を見てしまったような 少し寒気がするくらい…呑み込まれてしまうような気さえした。

人の手から生まれた物でありながら こんな物が人の手で生み出せるのか。という矛盾さえ感じ 心は欺瞞で満ち満ちた。

そういった物を見て、肌で理解したのは ”一体感”

形がどうである 色味がどうである そういった事を超越したところに…それらは在り 完成された物として だがしかし ただの物体としての領域を逸脱せず… 何かを妖しく放っていた。

先日の個展で、昼馬さんが買って下さった蓋物。

調合した釉薬を試しただけの物で 結果的に言えば…微調整が足りず、縮れてしまったところがある。 今 作っている物のように 彫りにも手間をさほどかけず 大きさも…両の手に収まるほどの物である。

ただ、影を強調したくて試した釉薬で 上げ底ならぬ上げ蓋を試した形で 合わせの部分に、一筋の影をはっきりと出せた事は…私にとって成功と言える物だった。

昼馬さんは私の個展を見て 「だんだんと自信が感じられてきた。 貴方なりの”良さ”に非常に好感が持てる個展だった」 と評して下さった。

実にありがたい言葉であると同時に 私という”自我”をいかに殺す事が出来るだろうか。と考えた。

一体感があれば…物は凛として自立し 作り手から遠く離れるものである。と 今、私はそう感じている。

もはや 誰が作ったのか。という事すら何の意味を持たない次元がある気がするのである。

この形 この色味を見れば ああ。 あの人が作ったのだろう。とすぐにわかる ”作風”と呼称される…ひとつの価値がある。

それはとても大事な事で いわゆる”作風”という価値を認めてくれる方々が居れば 作った物が売れ、金銭を手にし また材料を買う事が出来、飯が食える。 そしてその作家は生きる事が叶い 物を作り続ける事が出来る。

そういった意味では、個人作家にとって 最も大切なファクタだと言えるのだが そこに無理な決め付けがあっては枷になるし 世界は拡がらない。

”作風”という価値が…今、私が望む最上のものであり 必要不可欠だと感じているが それに囚われてしまっては 彼らのような…器気を放つ物を作るに至らない気もする。

そんな事は…そうなれた時に考えれば良い。 今は…食うが為のみを考えれば良い。 そう思うと同時に はて? これは…俺が作った物なのか…? と思えるような器気を放つ物を 死ぬまでには たったひとつでも 作ってみたい。と そういう想いがあれば叶わない気もしながら… 心の片隅には置いておかなければならない。という 強迫観念にも似た想いを抱き。

言葉遊びを超えたところに在るものの片鱗を…肌で感じた者として 上へ上へと 作った物が昇華していけば良い。

私という作り手が存在しなければ この世に生まれ得ぬ物が確かに在るが 私はただの”手”であり ”物”さえ自立すれば…それが最上である。と それが作り手の一分であり 恐らくは…死ぬまで捨てきれぬ業になると そう感じている

5回の閲覧

SAC Bros. by Motoman & Enken

Japanese Traditional Craftsman Team

完売商品のオーダーをお受けしています。

詳細はコチラから    

 

We are accepting orders for sold-out products. Please see here for details.

FAQ

Please subscribe our E-mail member

  • Instagramの - ブラックサークル
  • Facebookの - ブラックサークル
  • Twitterの - ブラックサークル
  • YouTubeの - ブラックサークル
0