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残心


ついに葡萄を口にする事ができず、心残りであった。 という話ではない。

どうもこんばんは。motomanです。

俺は日本に生まれ、日本で育ったわけである。 日本語を使い、日本の様式に慣れ、日本の文化の中に生活している。 それはただの慣れかもしれない。 他国に生まれ育っていれば、その国の言葉を使い 様式に慣れ、文化に染まっていた事であろう。

幸いな事に。 私は日本の文化が好きである。 日本に生まれ育ち、日本の文化が好きだというのだから これは幸せな事だろう。

剣道で”残心”という言葉がある。 それは剣道のみならず、日本の武道全般にも通ずる概念で 一言で言うならば… 心の構えを一拍長く置き、油断から生まれる心の隙を見せないといった 身構え・心構えを終始貫くという、一挙動の事である。

剣道の場合、 正確に技が決まっても…残心が成っていなければ、一本と認められない。 これはどうやら他の武道でもそうであるらしい。 私も体験した事がある。

自分の中で、これ以上ない奇麗な面を入れたと思い、 そのままの勢いで相手とすれ違った後、審判の持つ旗が挙げられるはずだと 心の隙が生まれ、審判の方を見てしまった。 その行動を見て 一度挙げられた旗は下げられ、振り向き様の相手の面を正面から受けてしまったのである。 今でも鮮明に覚えていて 試合が終わり、面を外し 悔し涙に溺れた。

慢心。 竹刀ではなく、真剣ならそういった事は在り得なかった。というわけではない。 致命傷を与えた手応えがあったとて、相手が即死するわけではない。 結果、相打ちとなり 二つの死体が転がる事になっただけの事。

それからは”残心”が身に沁みるまで稽古した。 技を決めるまでが勝負ではなく 決めた後は、次に来るかもしれない追撃をかわすべく いかに速く相手の脇を駆け抜けられるか。 その速度と相手の体勢から、振り向いた際に相手が何処に居るのかを予想し 振り向いた時、仮にその予想を超えた近間に相手が居たとて すぐに対処できる心構えを。

忘れた時。 怠った時。 想像できなかった時。 後悔の念を抱き、地を舐めて死んでいく事となるのだ。 残るのは無念のみ。

残心の差がここにある。 背中に赤いたすきを着けた剣士と 白いたすきを着けた剣士との違い。 互いの技は速く、正確だが 赤いたすきの剣士は、すでに次の一手の為に相手を見据え 白いたすきの剣士は…審判を。 結果を見ようとした。 そこで剣士ではなくなってしまったのだ。 無念…

これは陶芸にも、否 他のどんな道にも通ずる事だと思う。 最近水挽きをする時、削りをする時。 挽いている躯体から手が離れるか離れないか、その際の際が 一番大事だと感じる。 躯体から鉋を離す時のその際の際。 どちらも一様に 残心が必要とされる、成形工程の最も重要なところであると そう思うのである

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