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無陶


私が黒いものを好んで身に纏うのは 私は私が黒い性質の人間だと知っているからで 逆に白を纏ってみるのも悪くないかもしれない。と発想する余地は無い。

その時間が長ければ長い程 昇華するはずである。という幻想を抱いているからだ。

どうもこんばんは。motomanです。

何時 耳にしたのかは忘れたが " 本当のロックとは 音楽をやらない事だ " というセリフがあった。

私は音楽に明るい人間ではないし、ロックの真髄というものを考えた事もない。 まして 劇中のそのセリフも、冗談めいた状況で発せられたものであったが その理屈はなかなか評価出来るものだ。と感じた事を覚えている。 と言うのも 伊勢守の理念を受け継いだ石舟斎の兵法に通ずるところがあり 真剣勝負の上で、相手の命の尊厳をも重んじ 無刀に辿り着いたその精神性に近しいものを感じたからだ。

📷 2つ の岩石が重なった形。

陶芸という道の上 そういった類の精神性は何処に在るのだろうか。と考える。

📷 伊賀で掘らせて頂いた原土。

木槌で大きな塊を割ったものの中から 良いと思える形のもののみを選別し、ノミで少しずつカを与えて 原土の持つ荒々しさを崩さぬよう、慎重に削り出す。

📷 それぞれがそれぞれの表情を持っていて 最も良い景色だと思えるところを最優先に。 殺さぬよう 活かす為に削り出す。

自然とその形と成っているよう 最後に 2つ に割ると 香合が出来上がった。

📷 全体の大きさを基点とし 何に転換し得るだろうか。と 手の内で角度を変え、ただただ原石を眺めている時間の方が長いかもしれない。

行き先が決まったなら 衝撃に弱い原土が割れてしまわぬよう、丁寧に裡を刳り出すと ぐい呑みが出来上がった。

人の手が 土という素材を殺してしまってはいまいか どこまで活かす事が出来るのだろうか そもそも " 美しさ " を表現するにあたり 人の手が介在する余地はあるのだろうか その意味は 価値とは。

そういった想いに耽ってしまう。

未だ見ぬところではあるが 美しいと感じる空を超える空を人の手が作れないのと同義で 人の為に作られる器という形は自然発生し得ない。という理屈が成り立つような気がする。

📷 日本人独特の感覚とされる " 見立て " とは そのあたりに源流があるのではないか。と考える。 究極的な所有欲と言えるのかもしれない。

📷 自然の一部を切り取ったような景色を 土と炎を扱い " 手中の宇宙 " として具現化する事が 陶芸という道の醍醐味なのかもしれない。

📷 自分が作りたいものを成すにあたり 表現するに適しているから選んだ素材なのか 惚れた素材を地盤とし、その上に自分を投影するのかとでは 大きな差があるように思う。

📷 この手のものは正直なところ 自分でもよくわからない。

形は自分の手が動いた通りに変えられるけれど 磁土という、素材が持つ良さを引き出せているのかどうかが 甚だ疑問だからだ。

📷 狙いと試行錯誤は確かに在る。

以前 成形したものとの大きな違いは 切り出した鋭角な稜線と稜線の間の面を 指でなぞったか否か。 ただそれだけの事。

着想は 滑らかな筆使いをする書家の作品を観た事。 切り出した面を下から上へ 流れが天に昇っていくよう、指でなぞった。

これを作ったのは 紛れも無い ヒトである。と 手仕事の跡を遺してみよう。と思った。

📷 全体的な形も、数をこなすと ある程度の傾向が得られた。

成形方法も 作っている人間も同じ。 出来上がる形だけは違っている。

📷 確かな事は 土の乾燥具合で表情が違ってくる。 陶芸をしている人であれば 誰もが知っている事。 勿論 私も周知の事実ではあったが これを成形し終えるまでに私が知ったこの土の性質は それ以上でも以下でもなかった。

📷 どれが良いものでどれが悪いものである。という判断はし難い。 同じ土で同じ人間が作ったとて 違う形が出来上がるのだから。

数字や言語を扱うようになったヒトの芯に在るのは 曖昧なものである。という事。 味にもなれば不安要素にもなる、紙一重のこの感覚が 自分の中心に据えられているのだから 朧げに愉しくもあり 恒久的に哀しくもなる。

では 無機的な形ではどうだろう。と こういった形も作ってみた。

どこか心が落ち着いたのは 良いと思えるものを生あるうちに具現化したい。という欲に囚われているから 幾何学が平穏を象徴しているように見えたのか。 わからない。

全ては曖昧で 私が次に身に纏う色が黒であるかどうかですら危うい。

でも時々は それ以外も身に纏ってみないと。 見逃してしまっているものがあるかもしれない。 そういう発想もある。

そういう発想もある。

これは 私より永く永く、陶芸の道を歩み続けている 先人の口癖である

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