• SAC Bros. Company


先日出会った人から、ある事を学んだ。

その方は苔玉を作る。 📷苔玉というのはこのようなもので、管理し易い為 ちょっとした緑のインテリアとして、その人気は高い。

苔玉を作る際に用いる苔はの採取はもちろん、そこに挿し木する植物をも自ら栽培している。 どうやらその方が声を大にして言いたい事は 苔玉は容易く枯れるような事は無い。という事であるらしい。

苔玉に挿し木した植物が、すぐに枯れてしまって困る。 という相談をよく受けるそうで、その度にこう助言するそうだ。

苔玉は人気が高く、作り方も難しくないので 苔玉を作って販売している人は多い。 しかし、苔玉に挿し木する植物を自分で育てている人は少ない。 その大半が、ホームセンターや植物園で購入してきたものを挿し木として使う。 そこで問題になるのが、挿し木する植物のポットの大きさである。

苔玉の一般的な大きさは、両手でちょうど覆い隠せるくらいのもので 購入してきた植物を挿し木に使おうとすると、ポットが大き過ぎて 植物に付着している土の大半を落とさなくてはならなくなる。

これが、挿し木した植物の枯れ易さに繋がるようだ。

ポットの中の土の量は、いわばその植物が育ってきた世界そのもの。 つまりは、 その世界に適した大きさ以上にもならないし、それ以下にもならない。 苔玉に挿し木する時に、その世界をそのまま移してやると 苔玉の芯になる土の量がある為 その土の量は増えはするが、減る事はない。 世界が大きくはなろうが、小さくはならないのだ。

苔玉に挿したいが為に 今まで育ってきた世界を小さく削り、挿すというのは 植物にとっては全くもって理にかなっていない。

だから私は、苔玉に挿し木する用の その世界をそのまま挿せる 少ない土の量。つまり小さな世界で植物を育てる事から始める。

なるほど理にかなっている。

その方が育てている植物は非常に少ない土の量で 直径2cm 高さ3cmほどのものであった。

この苔玉にこの植物を挿したいという欲求があるならば それ相応の苔玉、あるいは植物を用意する必要があるという事。 いや… そのどちらをも満たすのがベストだと言える。

どうしてもこの植物を挿したいのであれば 苔玉の大きさはそれに準じ 苔玉の大きさを基準とするならば 挿す植物に工夫を施す。

一方を満たすが為に、一方がおざなりになってしまってはならない。

植物に暗いので、この工夫が本当に苔玉の枯れ易さに深く関わっているかは私にはわからない。

しかしこの姿勢は、ものづくりに欠かせない発想だと評価できるし 産まれた時の肌の色がわからないほど日焼けで浅黒くなった肌と、 爪の間に黒く入り込んでこびりついた土。 皮の厚くなった指先。 その指で植物を撫でるように触れるやわらかな仕草。 ただの通りすがりの私に、事細かに説明してくれる姿。

何より

植物は挿せば増える。 勝手に増える。 少しの手間と長い時間はかかるが、どんどん増える。 コレも去年挿し木したやつが勝手にこんなけ増えたんやで。と 植物の事を語るその方の屈託のない笑顔が 伝わってくる植物への愛情が…疑う余地を与えなかった。

剣の道の遠山の目付け。

相手の持つ刀の切っ先を見るのでなく 肩の強張りを見るのではなく 上腕の緊張を見るのではなく 足の運びを見るのではなく

…遠くの大きな山を眺めるよう ぼんやりと全体を見る。 どうやらそれが”見る”という事のようだ。と学んだ。

苔玉を作る時でもそれは同じ。 理にかなった事はどの世界でも通ずるようだ。 さすれば当然。 陶の道にもそれは通ずる。

…しかし 陶芸とは… 全体をぼんやりと見るとて。 どこが端で…それに相対する端はどこなのか。 どこまで深く…どこまで高みがあるのか。 いやはや…全体像すらうまく掴めない。

ただ、自分が作ったものをぼんやりと眺め その時の自分が納得できれば 用いる土や 釉や 道具や 手法は違えど

きっとどこまでも自由なんだろうと そう思えるに違いない

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